柄on柄?
洋服にも着物にも「スタイリスト」と言う職業があります。着物の方が、柄on柄の組み合わせが多いのはご存知ですよね?
私自身は、洋服も着物も柄on柄にして着ることはありませんが、柄行きや色合いによっては、ぴったりな組み合わせになることがあることも知っています。本当に「相性」なんですよね。自分には似合わないと思うけど、あの人には似合う。体型や、雰囲気、キャラクターとの相性もあるんですよ。
例えば、アメリカの連続ドラマ「クリミナル・マインド」での「ペネロープ・ガルシア」(カーステン・ヴァングスネス)のファッションセンスが、もう可愛らしくて素敵すぎる!!
彼女は、はっきり言って「おデブちゃん」なのだけど、とっても魅力的なんです。髪の色だって、金髪だったり、赤毛だったり、ピンクだったり色々なのだけど、本当にキュート!
彼女にしか似合わない。自分の魅力をしっかり解ってる。(彼女専任のスタイリストがいるのかもしれないのですが、それは置いておいて😊)
そうなると、世の中に数多ある「タイプ別ファンション指南」の分類は、絶対的なものじゃないと判りますよね?最近は体型と色素(スプリングとかサマーとか肌色の分別)による組み合わせで12タイプを紹介したりしていますが、こんなに沢山の人たちが12タイプしかない訳がない。紹介されたお洋服は、サイズ感やカッティングが判らないし、本人のキャラクターが判断できないし。バランスだってね。参考程度でいいんじゃないかと思います。
色彩の勉強は大好きなので、カラーアナリストの先生の講義を受けたことも何回かありますが、先生のファッションも「知識とセンスが噛み合っているかどうか」が微妙だったりします。外見って影響することが大きいなあと思うのです。特に講義をする立場になる方はご苦労されると思います。ファッションを語るとなると尚更。教科書通りが「素敵」とは限らない。
色の分量もセオリーも守っているかもしれないけれど、無難なだけかもしれないし。スタイリストが素敵な着こなしをしているとも限らない。
難しいんですよ。部分を見るのか?全体を見るのか?個人の癖もあるし、受け取る側の感性もありますし。まずは、自分の魅力が見つかるといいんですけれど、こいつがとっても難しい。
自分の居心地の良い「好み」もありますし。
目立たない美人(整っているけど)もいれば、バランスがちょっと違うけど華やかな美人のイメージの人もいる。バランスがちょっと違うと、インパクトが大きくなるんですよね。
写真は、リサイクルショップで組み合わせてみた「晴れ着」なのですが、帯の柄と着物の柄に同じ四季の植物が描かれていて、相性がいいなあと思ったのです。お互いを引き立てていると思いませんか?帯締めと帯揚げも柄の中にある色から選んでみました。
私はこれを着れる年齢でも、キャラクターでも、サイズでもありませんが、この組み合わせが似合うお嬢さんは、きっといらっしゃると思います。
ちなみに私の母にこの組み合わせを見せてみたところ、彼女の趣味ではなかったようでした。「柄と柄?なんだかごちゃごちゃしてるよね?」
誰もが100%素敵だと思う物も人も組み合わせも、ないんでしょうね。
だから、How to本には振り回されることはありません。特に、ファッションについては。